今回も風邪薬の続きです。
個人的な話になりますが、私は風邪をひいても、いわゆる「風邪薬」をのむことはめったにありません。
その時の症状にあわせて漢方薬を使っています。
風邪の漢方薬といえば「葛根湯(かっこんとう)」が有名ですが、私が風邪によく使うのは「香蘇散(こうそさん)」、「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」、「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」、「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」、「桔梗湯(ききょうとう)」の5種類です。
香蘇散(こうそさん):風邪のひき始めに効果的
この薬は漢方の世界では「気剤」と呼ばれるグループに属します。
「気をめぐらす」と説明されますが、軽い不安や抑うつを解消する精神安定剤のような働きをします。
こんな薬が風邪に効くのは不思議な気がしますが、心と体は無関係ではありません。
特に免疫力は心の状態に強く影響されることは現代医学でも明らかになっています。
香蘇散は心と体の両方に働きかけ、私たちの体の免疫力を高める手助けをしてくれるのでしょう。
「風邪にかかったかな」と思った時にこの薬を1日4回(朝・昼・夕・眠前)くらい飲むのが効果的です。
また、風邪をひきやすい人は秋から冬にかけて、1日1包くらい毎日服用しておくと風邪を引きにくくなります。
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう):寒気がして体がだるい時に
香蘇散による初期治療が効かず、本格的な風邪になってしまったら麻黄附子細辛湯がオススメです。
体がだるく寒気がする、喉や関節に痛みがあり咳や鼻水もある、全体として元気がなくてぐったりしている時に服用します。
この薬には体を暖める働きがあるので、気持ち良い汗をかいてすっきり治ることもあります。
ただ、ちょっと胃をいためる傾向があります。
香蘇散と麻黄附子細辛湯は、言うなれば漢方の世界の「総合感冒薬」です。
それに対して、次に説明する3つの薬は特定の症状に的を絞った薬です。
小青竜湯(しょうせいりゅうとう):「鼻」のトラブルに効果的
小青竜湯は鼻水・鼻詰まりに良く効きます。
しかも抗ヒスタミン薬と違って眠くなりません。
だから、鼻風邪には最適です。勘の良い人は「鼻水・鼻詰まりに良く効く」という言葉からピンと来たかもしれませんが、小青竜湯は風邪だけでなく花粉症(アレルギー性鼻炎)にも効果的です。
しかも、抗ヒスタミン薬と違って眠くなりません。
もっとも、不眠ぎみの人には抗ヒスタミン薬の副作用(眠気)はありがたいものかもしれません。
そういう人は、日中は小青竜湯、寝る前に抗ヒスタミン薬を使い分けるとよいでしょう。
麦門冬湯(ばくもんどうとう):漢方の咳止め
麦門冬湯は咳をしずめる作用があります。
痰が少なく乾いた咳にも切れの悪い痰をともなう咳にも効果的で、喉や口が乾燥してイガイガするときにも良い薬です。
もともと咳というのは気管や気管支に入った異物を外に出すための反応なので、止め過ぎるのはあまり良くありません。
しかし、咳がひどくて夜も眠れないとか、咳をし過ぎて胸の筋肉が痛くなるほどであれば咳止めも必要です。
桔梗湯(ききょうとう):喉が痛い時の切り札
桔梗湯は喉が腫れて痛い時に適した漢方薬で、たいていの喉の痛みはこれでおさまります。
扁桃炎(へんとうえん)や咽頭炎(いんとうえん)に効果があるほか、カラオケのし過ぎなどで声がかれて喉が痛む時にも使えます。
粉薬をカップ1杯程度のお湯に溶いて少し冷まし、1口ずつゆっくり喉を潤すように飲むと良く効きます。





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